ヘルスケア業界はつまらないのか?
日々多くの弁護士とお話しをしていると、ヘルスケア業界のインハウスポジションに関心の高い方々がいる一方、ヘルスケア業界での法務業務はつまらなそうと仰る方にも出会います。規制業種であることから「新しいことを進めにくい」などのイメージで敬遠している方もいます。
さて、ヘルスケア業界の法務ポジションは本当につまらないのでしょうか。
ヘルスケアに限らずですが、ルーティンワークや細かな契約審査など、つまらないと言われがちな業務が多いポジションも実際ありますし、様々な規制やガイドラインに沿わなければならず「新しいことを進めにくい」という側面も確かにあると思います。
ですが、先の質問への私の答えはノーです。個人の興味関心の違いはもちろんありますが、業界内の動向を知れば面白い側面も感じられるはずです。
先日ドバイで参加したヘルスケアの国際カンファレンス「Health 2.0」では、世界で展開されている新しいヘルスケアビジネスと、そのインパクトの大きさに驚かされました。ヘルスケアシステムをより良くするための動きが世界中にあり、日々新たな技術・ビジネスが生まれています。発信地はアメリカ、ノルウェー、インド、ドイツ、UAE、マレーシアなど様々ですが、日本も注視されており、日本進出を考えているという企業にもお会いしました。もちろん、日本から世界へ、という企業もあります。
ピザ屋でピザ一枚を買って食べるくらいの安いコストと短い時間で全身を検査し疾病発症の予防に繋げる技術、個々人に合わせたテーラーメイドな予防プラン・治療を可能にする技術、認知症の兆候の早期発見に貢献するvision-based AIを活用したアプリケーション、ヘルスケアに特化した3Dアニメーション技術など、発症した病気をどう治療するかも大事ですが、予防・早期発見がより注目されている印象でした。また、フィジカルな病気以上にメンタルヘルスや認知障害がどの国でも最近の重要課題となっており、今後この分野でも新しい技術が生み出されると期待感を持ちました。
例えば今回訪れたUAEなど海外諸国と比較し日本のヘルスケアマーケットは新しいビジネス・製品をスピード感を持って展開しにくい市場と言われています。確かにそうで、クリアすべきハードルも多いと思いますが、だからこそこの業界では法務が重要な役割を担っており、そこにやり甲斐を見出す方も沢山いらっしゃいます。
国籍や年齢を問わず私たちにとって普遍的に重要な健康・命に関わるヘルスケアビジネスは、時に世の中に非常に大きなインパクトを与えます。そこに当事者として関わることは面白そうではありませんか?
少しでも関心を持たれた方、お気軽に吉政までお問い合わせください。業界全体、個別企業について、何でもお答えいたします。
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