リーガルビーグル:弁護士、レギュラトリー&2ステップ
ジャスティ・ドッグさん
こんにちは!このコラム、いつも楽しく拝読しています。映画化の予定はありますか?
私には、そこそこ満足しているキャリアがあります。四大法律事務所で中堅アソシエイトをしています。正直なところ、パートナーになる可能性はありませんが、それはそれで良いと思っています。
今抱えている悩みは、私の専門はファイナンスですが、ここ数年めっきり仕事が減り、最近ではインハウスでの金融関係の仕事もあまりないようです。金融系以外のインハウスのポジションに応募しても、面接では先方のマネージャーから、金融業界の良い就職先が見つかるまでの腰掛けのように思われてしまいます。実際、そう言うつもりがない訳ではありませんが、「金融業界の良い就職先」がそう簡単に見つかるとは思えません。もちろん出来れば金融業界で自分の能力を活用したいとは思いますが、必ずしも安定した職場とは限りませんし、少ない募集に対し、かつてないほど大勢の弁護士が応募している現状を見ると、金融で仕事を見つけることも危ぶまれます。
仕事熱心な弁護士としてはどうするのが良いでしょう?
よろしくお願いします。
金融業界に疑問を抱える弁護士より
金融業界に疑問を抱える弁護士さんへ、
クン、クーン、こんちには!いつもご拝読ありがとうございます。映画化の話、いいですね。スヌーピーに僕の役をやってもらおうかな。
あなたのようなお悩みは、今に始まったことではありません。まず一番大切なことは、粘り強く、銀行・ファイナンスで募集があったら、応募し続けることです。確かに金融関係の仕事は競争が激しくなって来ています。それは四大法律事務所がパートナーの数を抑えているため、金融に関わらずマーケット全体でアクセス出来る弁護士の絶対数が増えているからです。競争が激しいのはわかりますが、諦めないことです。
あなたの場合は、「2ステップ」で仕事を探すのが良いかもしれません。2ステップ、というのは、まず完璧ではないけれども好ましい仕事またはブランドネームの強くない銀行に転職をし、将来もっと良い条件の仕事を見つける方法です。リスクが伴わない訳ではありませんが、人生リスクを伴わないことなどありません。さらに(あなたのことは個人的に知っている訳ではありませんが)一歩踏み込んで、むしろリスクを積極的に取るようにして行くことを勧めます。何と言ってもあなたは弁護士なのですから、食べるのに困ったり、家族を養えなくなったりすることはあり得ません。少し目先を変えて、必ずしも厳密な意味では金融でないところまで選択の幅を広げてみてはどうでしょう。黒坂 大に電話してみてください。黒坂が秘密厳守でご相談に乗ります。黒坂は日本で初めて弁護士に特化したリクルーターですので、誰よりも親身になってご相談をお受けします。(弁護士の親友と呼んでください。)
あるいは、(これは少し変わった路線ですが、それほど的は外れていないと思います)安定性、高収入、これからの成長トレンドの先駆けを狙うのであれば、真剣にコンプライアンスを考えてみてはいかがでしょうか?もちろん、弁護士としてのプライドをお持ちでしょうから、コンプライアンス担当者の可能性を考えてみたこともないかもしれませんが・・・。
仕事は仕事だと割り切りましょう。何か得意な分野があれば、多少不満があったとしても、それなりに楽しくこなせるものです。人間の脳はそういう働きをするようになっています。
世界はどんどん変化しています。日本の外に目を向けると、最大手銀行でコンプライアンスを管轄している幹部は弁護士であることに気がつきます。なぜか?それは弁護士が広い視点で規制を理解し、大きな構図の中でコンプライアンスの役割を捉えることが出来るからです。さらに、コンプライアンス担当者が弁護士であれば、ゼネラル・カウンセルと同じ視点でリスク規制を検討することが出来るので、資格を持たないコンプライアンス担当者よりも出世が早くなります。また国内外で、規制上の関心が大きな比重を占める昨今、リーガルとコンプライアンスの違いはどんどん小さくなり、消滅しつつあります。
規制やコンプライアンスの分野で活躍する弁護士は日本ではまだ流行にはなっていませんが、いずれなります。流行を待つ必要はありません。ご自身の判断で先陣を切り、ご自身のキャリアを築いてください。井の中の蛙ではなく、大きな舞台で活躍するチャンスです。
ビールを片手に映画の版権について語り合いましょう。
ジャスティ・ドッグ
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